不動産を売却したときに譲渡所得が生じた人は、確定申告のタイミングで手続きしなければいけません。初めて手続きする人は、どのような流れになっているのか、自分でも手続きできるのか、何を準備しなければいけないのか不安に思っているでしょう。今回の記事を参考にしながら、慌てないように準備しましょう。
目次
不動産を売却したら確定申告が必要？
一般的な流れを知っておきましょう。不備が無いように手続きすることが大切です。
不動産売却による確定申告の必要性
確定申告が必要になる条件を2つ紹介します。まず、所有している不動産を売却したときに、譲渡所得が生じたときです。住宅を購入したときの金額よりも売却したときの金額のほうが上回っていたときは、手続きを行います。
次に、税金の特例を利用したときに手続きします。いろいろな特例がありますが、3,000万円特別控除や軽減税率の特例などがあります。また、特例の種類により必要な書類が変化するため、混同しないように注意しましょう。
不動産売却の確定申告の流れ
まず、必要書類を準備します。税務署から取り寄せる書類と自分で用意する書類があります。自分でチェックリストを作成するなどして不備が無いようにしましょう。書類の不備が見つかると税務署から問い合わせがあり、スムーズに手続きできなくなるため事前の準備が大切です。
次に、譲渡所得税額を計算します。不動産の用途や所有期間により税率が変動するため、間違えないように計算します。所有期間が5年以下の所得税率は30.63%、住民税率は9％です。所有期間が5年以上の所得税率は15.315%、住民税率は5％です。
そして、確定申告書などを記入します。用紙に手書きする方法やインターネットを利用して作成する方法もあるため、自分に合った方法を選択しましょう。最後に、税務署に提出します。郵送で提出する方法、直接持参する方法、システムで提出する方法から選択できます。
確定申告が不要な場合
不動産を売却した人は、必ず確定申告しなければいけないわけではありません。譲渡所得がマイナスになった人で特例を利用しない人は不要です。
不動産売却の確定申告に必要な書類と書き方
税務署から入手する書類と自分で準備する書類があります。確定申告のタイミングになると窓口の混雑が予想されるため、早めに準備しましょう。
税務署から入手する書類
確定申告書Ｂ、分離課税書、譲渡所得の内訳書を入手して作成します。いずれも手書きで作成する方法だけではなく、パソコンで作成する方法もあります。手書きで作成するときは、前年度の用紙を使用してはいけません。必ず用紙に記載されている年度を確認して作成しましょう。これらの用紙は、税務署の窓口ですぐに受け取れます。
自分で準備する書類
税務署から入手する書類よりも種類が多いので、漏れが無いようにしましょう。住民票、不動産を売却したときの契約書のコピー、不動産を購入したときの契約書のコピー、仲介手数料や印紙税などの領収書などが必要です。住民票は市区町村の役場の窓口で受け取れます。そのほかの書類は、自分の手元にあるものなので忘れずに準備してください。
特例を利用したときに必要となる書類
登記事項証明書や除籍住民票などが必要となるケースがあります。詳細は不動産会社に問い合わせてください。
経費を漏らさず計上して正確に申告しよう
不動産を売却するときは、経費で処理できるものがあります。売却するときに発生した仲介手数料や土地の測量費用などは経費として計上できるため、支払う税金を少なくできます。ただし、引っ越し費用や町会費などは計上できないので注意してください。
不動産売却の確定申告をするタイミング
期間が決まっているため、きちんと取り組みましょう。分からないことがあれば、上手にサポートを活用してください。
2月中旬から3月中旬の期間で行う
物件を譲渡した翌年に確定申告します。2月中旬から3月中旬となっているため、先行的に準備を進めましょう。1月に入ると国税庁のホームページで確定申告の情報が流れてくるため、忘れずに確認してください。
なお、期限内に手続きを済ませられなかった人や手続きを怠った人に対して、罰則が与えられることがあります。無申告加算税が課せられると、金銭的な負担が増加してしまうため、必ず期日を守って提出してください。
上手にサポートを活用する
自分で必要な書類を準備するところまではできるけれど、書類の作成が正しくできるのか不安に思っている人は、上手にサポートを活用しましょう。税理士に確定申告のサポートを依頼する方法や、税務署で手続きのサポートを受けられます。
たとえば、計算方法が分からない人は、上手にサポートを活用することでスムーズに手続きできるようになります。
まとめ
準備する書類はそこまで複雑ではありません。確定申告書などの記載要領は、見本を確認しながら自分で記入できますが、計算方法が分からない人や自信が無い人は、税理士、不動産会社、税務署のスタッフなどのサポートを上手に活用してください。特例を利用した人は必要となる書類が異なる場合があるため、不動産会社に確認するとよいでしょう。
